REPORT

デザインを学んでいる学生と一緒に「未来のおもちゃ」を考えよう!

TOY DESIGNワークショップ

Yoko Komura

2018/5/9

TOY

皆さん、こんにちは。VIVISTOP柏の葉(以下「VIVISTOP」)運営クルーの小村です。
昨年の3月にVIVISTOPがオープンしてから約1年が経過し、日々の活動の様子は、Facebookインスタグラムでもお届けしておりますが、今後はこちらのコラムも定期的に更新していきたいと思います。

さて、4/29(日)に「TOY DESIGNー未来のおもちゃを考えようー」という千葉工業大学 先進工学部知能メディア工学科 山崎研究室とVIVITAのコラボによるワークショップを開催しました。VIVITAデザイナーの青木が企画・ファシリテーターを務め、10名のVIVITAメンバーが参加しました。

今回のワークショップはデザインを専攻する山崎研究室の学生(以下「学生」)とVIVITAメンバーがペアを組み、“未来のおもちゃ”のアイデアを考え、スケッチや紙の模型制作等で見える形にしてプレゼンする、という構成でした。

◆おもちゃのアイデアをたくさん出してみよう
まず初めに、学生から彼らの所属する研究室や世の中にある色々なおもちゃについて紹介がありました。その後、その日一緒に過ごすペアとの仲を深めるため、お互いの好きなモノやコトをポストイットにどんどん書きながら自己紹介をしました。中には、「柿ピーとドラマの“相棒”が好き」という意外な(!?)共通点を見出したペアもいました。

自己紹介を通して打ち解けたところで、次は未来の楽しいおもちゃについて、アイデアを想像するステップに入っていきます。

最初に話したお互いの好きなモノやコトをヒントに、未来のおもちゃを考える構成になっていたので、スムーズに考えを深めることができた印象を受けました。

理科の実験やロボット作りに興味がある子は、なんと乗り物としての機能を兼ね備えた未来型“乗れるランドセル”、ぬいぐるみが好きな子は、“一緒に歌ってくれる動物キャラ”など、とにかく、オリジナリティあふれるアイデアが飛び交います。また、同じぬいぐるみ好きでも、“遊ぶ人の気分によって体の色が変わる空飛ぶうさぎ”なんてユニークな発想をする子もいました。

その後は、いよいよそれぞれのペアで考えたアイデアのプレゼンタイム。「説明苦手・・」「緊張する!!」と言いながらも、みんな慣れないプレゼンに挑みました。

デザイナーからアドバイス、コメントをフィードバック

お昼休憩を挟み、後半戦がスタートです。前半でプレゼンしたアイデアに対してデザイナー陣から受けたアドバイスをもとに、さらに磨きをかけ紙の模型をつくっていきます。普段、VIVISTOPでモノづくりをしている子どもたちにとっては、紙の模型作りはお手のもの。予め渡していた紙、はさみ、テープ類以外にもVIVISTOPにある素材や道具を巧みに駆使して、完成させていました。

アンケートでも「紙の模型づくりは大変だったが、楽しかった」という回答が一番多く、ワークショップの中でもこの模型作りのパートが一番の盛り上がりを見せていました。

最後に各ペアから紙模型を見せながらの最終プレゼンがあり、ワークショップとしては、ここまでが一連の流れとなるのですが、アイデアや子どもと学生のやりとりが非常に面白い!と感じたペアがいたので、2組ほどクローズアップしてご紹介したいと思います。

◆ペアのやりとりをクローズアップ
CASE①:ハルキ(子)・石原(学生)ペア
■おもちゃ名:カキピききいっぱつ

■おもちゃの特徴:
そう、あの懐かしのおもちゃ黒ひげ危機一髪ならぬ、“カキピききいっぱつ”です。

●黒ひげ危機一髪でいうタル部分が、缶ビール型になっている
●特製サイコロを振って出た目の数だけ、缶ビール部分に剣の代わりに“柿ピー”をさしていく
●サイコロには缶ビール部分にさす数だけでなく食べられる数も書いてあり、食べながらゲームをすることができる

なんとも柿ピー好きにはたまらない仕様です。また、運よく「当たり」部分に柿ピーがささると、ボーナスタイムとして柿ピーが一気に流れ出てきて皆で一緒につまむことができる、という楽しい仕掛けも施されています。

■このおもちゃが生まれたワケ:
元々はVIVITAメンバーのハルキがコーラ好きということもあって、“ペットボトルをひねるとコーラが出てくる”というペットボトル型の自動販売機を考えていたようなのですが、「それはおもちゃではない」とすぐにハルキが言ったそうです。そこで学生の石原くんから、自動販売機のアイデアをもう少し膨らませておもちゃっぽくしてみようと「こんなのにしてみる?」「大きさ変えてみる?」とあらゆる方向から質問を投げかけたようですが、なんとなく納得のいっていない様子。その後、ハルキが発した一言をきっかけに状況が進展したとのこと。

ハルキ「もう少し遊びっぽくしたい。黒ひげ危機一髪みたいな感じが楽しそう。」
石原「あーなるほど。でもさ、同じタルを使うの?」
ハルキ「それはつまらない。」
石原「じゃあどんな感じ?」

このような形で、学生の言葉を借りるなら“子どもと同じ目線に立った「パートナー」”として話し合いを進めていったそうです。また、ハルキの中で「こうしたい」という意思はあるものの、要件定義(これに決める時に、AやBという条件を決めなくてはならないというもの)は、学生の方が得意なため、学生が上手く子どもの意見を引き出しておもちゃの案を具体化して行きました。

CASE②:かぼちゃん(子)・小林(学生)ペア
■おもちゃ名:狼リュック
■おもちゃの特徴:
その名のとおり狼がリュックになったおもちゃですが、開発者・かぼちゃんの並々ならぬ動物好きな思いがこめられています。

●ペットのような感覚で、いつも一緒にお出かけを楽しめる
●単なるリュックではなく、ちゃんと鳴いたり吠えたりする

■このおもちゃが生まれたワケ
学生の小林くんが意識したことは、VIVITAメンバーのかぼちゃんに対してばらばらに質問を投げかけるのではなく、一つ質問して話をしてもらい、それに関してどんどん掘り下げていくようにしたこと。例えば、動物が好き⇒色々な動物の話⇒狼が好きというように狼や動物の話を広げ、普段見れないような珍しい動物を飼いたい&色々なところに連れて行きたいという話から、“旅先にも連れていけるような狼型ロボットを作りたい”という案が出たとのこと。
最初はこの狼型ロボットはリュックになり、ペットのような感覚で歩かせてお散歩を楽しむこともできる、という設定でした。しかしながら、いざロボットにするとなると本物の狼のようにスムーズに動くことができないし、機械が内蔵されるわけなのでリュックがかなり重くなってしまいます。

かぼちゃん「重いのは嫌だけど、どうしても旅行先に連れていきたい。」
小林「じゃあ、ロボットにはしないで、普通の狼型のリュックにするのはどう?それなら軽いから連れていけるよ?それとさっき、狼と一緒に遊びたいって言っていたけど、リュックの肩ひもを狼の足と見立てて取り外せるようにしたら、狼の足を持って遊べるんじゃない?」
かぼちゃん「それって、お座りもさせられるの?」
小林「うん、できると思う。」
かぼちゃん「できるならその案でいく!」

かぼちゃんは非常にやる気を見せ、リュックの素材や製作スケジュール、製作方法について、その場で相談し始めたとのこと(学生・小林くんは具体的に「次はいつ来るの?」と迫られた模様)。

ペアワークを通して、学生は2人とも子どもの表情、しぐさ、声色の変化を感じながら、子どもが本当に面白いと思っていることは何か?にとことん向き合い、「これだ」と感じて前のめりになる瞬間を見逃さず見事にとらえており、その姿勢は感動的でした。加えて、短時間で関係性を築き、ここまでやってのけてしまうその器用さをうらやましく感じました(笑)。

◆おわりに

VIVITAでは子どもの好奇心や創造力を刺激するきっかけづくりとして、これまでも様々な企業や団体とコラボをし、ワークショップを行ってきました。どのワークショップにおいても、自由に発想し、何もないところから何かを生み出すことを体感できるような企画を心がけています。さらに、今回は日常のVIVITAの活動ではなかなか体験することのできないペアワークを通して、アイデアを相手に伝えることの楽しさや難しさを感じてもらうこともできたのではないかと思います。
今回のワークショップで出てきた面白いアイデアは、VIVITAの通常活動の際に学生たちと一緒にうまく繋げながら本当のおもちゃにしてお披露目できたら良いなと思っています。

以上、ワークショップレポートでした。

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