REPORT

モノのしくみ探究部

モノのしくみ探究部の探究結果報告~公衆電話の謎~

YamaguchiTomoaki

Tomoaki Yamaguchi

2021/1/14

モノのしくみ探究部の探究結果報告~公衆電話の謎~

みなさんこんにちは!
モノのしくみ探究部の活動をしているグッチです。
今回は公衆電話を題材に活動しました!

公衆電話の謎ワークショップの流れ
①公衆電話のクイズと謎への挑戦@オンライン非同期参加
②公衆電話の分解ワークショップ@VIVISTOP柏の葉


①公衆電話のクイズと謎への挑戦@オンライン非同期参加
・謎に挑戦するグーグルフォーム↓に回答してもらいました!
https://forms.gle/pvrypyMsFozEvu48A

このコラムを読んでいる皆さんもぜひ挑戦してみてください!


分解前に挑戦してもらったクイズと謎

最初にこのフォームをみんなに回答してもらいました!
みんなの回答結果↓
https://docs.google.com/document/d/1Wi9SHzwPhW9327OvxeZVMmgL6_6_puepUQq2sZ0n1Iw/edit?usp=sharing

みんなの回答を読むことで、持っている知識を使って考えて答えを導くこと、経験から推測すること、直感で回答すること、調べて回答すること、友達や家族に話してから回答することなど色んな回答の仕方があるんだなと、とても学びがあります。

ここで、子どもの考察もおもしろい【謎②:この公衆電話の販売された当時の価格はいくらなのか??】のみんなの回答をを紹介します。ぜひ読んでみてください!

さぁ、このようにみんなが予想してくれた回答は、分解することでどの程度わかってくるのでしょうか?今コラムを読んでいるみなさんは、分解することでどのくらい謎が解明されると思いますか?




②公衆電話の分解ワークショップ@VIVISTOP柏の葉

分解ワークショップはVIVISTOP柏の葉で行いました!
分解したい気持ちのある参加者が多く、ワークショップ開始前から公衆電話以外の分解をしていたりしました!

分解直前の様子
分解中と分解後の様子のタイムラプス




🔸🔸🔸分解したことによって、わかったことをまとめていきます!🔸🔸🔸

【謎①:何年前に作られたか❓❓】
分解していく中で、3つの部品に製造年月日が記載されていました。そのため、この製品が作られたのも1995年の2月と3月あたりなのではないかとみんなで予測しました。

製造年月について記載されているシール

(捕捉)
・「TAMRA」と企業名のロゴらしき文字が書いてあったので、調べてみました。「TAMRA」は正式名称は 株式会社田村電機製作所であり、現在はサクサ株式会社となっていることが分かりました。そのホームページに今回扱った公衆電話「コードレスPテレホン」が1992年から納入開始されたことが記載されていました↓

(左図)分解した公衆電話の下にあったシール
(右図)ホームページに記載されていた「コードレスPてれほん」の納入年https://www.saxa.co.jp/about/history.html (ホームページ)




【謎②:販売当時の価格は❓❓】
分解したときには、中の部品だけでは価格を考えることはできませんでした。
ただ、みんなの回答を見ることで、だいたいの価格を推測することはできるかも?
https://docs.google.com/document/d/1Wi9SHzwPhW9327OvxeZVMmgL6_6_puepUQq2sZ0n1Iw/edit?usp=sharing

(捕捉)
・中古で、44,500円で売られているのを確認できました。これがヒントになるかも?

日本電話取引センターのwebページより
https://www.jtc-talk.co.jp/ntt/pt-3cln-set/

・「コードレスPてれほん」の次に販売されたとされる製品「pてれほんS」と「PてれほんDCL」の価格が検索したら見つかった!この価格も参考になるかも?


「pてれほんS」と「PてれほんDCL」について
https://www.ntt.co.jp/news/news97/971023e.html




【謎③:なぜ故障したのか❓❓】
分解していろんな部品を見たが、おかしな部分は見つかりませんでした!
みんなの回答の中に正解者がいるかも?
https://docs.google.com/document/d/1Wi9SHzwPhW9327OvxeZVMmgL6_6_puepUQq2sZ0n1Iw/edit?usp=sharing

公衆電話の謎に対するみんなの回答




【謎④:なんでこんなに大きいのか❓❓】
分解して思ったことはしたの三つです!
・お金を分ける仕組みが大きかった。
・基板がかなり大きかった 。
・お金を入れるところが結構大きかった。

公衆電話の中身




【謎⑤:10円と100円を区別する仕組みは❓❓】
・下の動画を見るとわかるように、大きさで通る場所が異なっていました。

10円と100円を入れたときの動画

(捕捉)
・場所で区別して、それに合わせてセンサーが反応している??

お金の通る場所にセンサーらしきものが??

・自動販売機のコイン判別法についての記事が参考になるかも?
http://www.asahi.com/shimbun/nie/tamate/kiji/20100623.html(朝日新聞)




【謎⑥:この電話は、三つのケーブルがさせるためのそれぞれなんのためのケーブルだろう❓❓】
分解したところでわかるようなものではありませんでした。
みんなの回答の中に正解者がいるかも?
https://docs.google.com/document/d/1Wi9SHzwPhW9327OvxeZVMmgL6_6_puepUQq2sZ0n1Iw/edit?usp=sharing

基板が公衆電話にあるときの基板の配置

(捕捉)
・コードレスPテレホンの取扱説明書を調べてみたところ、ケーブルを差すところについての説明を見つけました! 一番左は、プリンタ端子だとは全く思いまっせんでした!読んでいる方は見抜けましたか?

コネクタについて記載されていた取扱説明書




🔸🔸🔸分解していく中で、見つけたこと、新たな謎🔸🔸🔸


【子機と受話器の違いとは❓❓ / 受話器と本体をつなぐ線の中には❓❓】
左から子機、受話器、受話器と本体をつなぐ線の写真です。
・子機
まず、分解することがとても難しかった。ペンチやトンカチを使用してもなかなか分解することが困難でした。
中には基板はなく、大きな金属板、スピーカー、マイクが入っていました。
・受話器
分解は比較的簡単だでした。
中には基板があり、たくさんの部品が中に入っていました。

・受話器と本体をつなぐ線
4本の線が中に入っていた。それぞれがなんのための線なのかまではわかりませんでした。

(左図)分解した受話器と子機
(右図)受話器と本体をつなぐ線




【大きな基板についたシートはなんのためにあるのだろう❓❓】
中に大きな基板が二枚あった。どちらの基板も部品がある面と手で触るとチクチクする面がありました。チクチクする面の方にどちらもシートが重ねられていました。発見した子どもと話したら、手がチクチクして痛くならないようにと答えていました!
読んでいる皆さんは、これはなんのためのシートだと思いますか?

大きな基板とシート




【アンテナのカバーを外してみたら❓❓】
公衆電話から外すときに精密ドライバーという特殊な形のねじを緩めるためのドライバーが必要でした。
アンテナの黒いカバーを外したら、中に金属がぐるぐる巻きにされて入っていました。
どうしてグルグル巻きの金属が入っていたのでしょうか?

分解したアンテナ




【ボタンってどういう仕組み❓❓】
「ボタン部分」と「ボタン部分と接触している基板」を確認してみると、ボタン部分の裏は黒くなっており、その部分と基板の黒い部分は対応していました。
電気が流れやすさを確認できるテスターを使って、ボタンの裏の黒い部分をチェックしてみたら電気流れやすいことが分かりました!!

分解した部品の写真




【日本メーカーの部品の多さの不思議❓❓】
基板上の部品を確認したら、日本メーカーの部品が結構あることがわかりましたた。簡単に確認しただけでも、SHARP, JRC(日本無線株式会社), NEC(日本電気株式会社), OKI(沖電気工業株式会社)のロゴがありました。
日本メーカーが多いので、昔の半導体のシェア率を調べてみたら、1980年代から1990年代にかけて半導体のシェア率は世界的に非常に高かったことが分かりました!
しかし、どうしてこんなにこの年代は日本の半導体のシェア率が高かったのだろう??

基板の上にある半導体部品
1990年代の半導体産業についての資料
https://www.doyu.jp/research/issue/yearly/05/047-060_fujita.pdf




【最後に分かったことや謎について自由にまとめました❕❕❕】

まとめている様子
iOS の画像 (40).jpg (438.9 kB)
分解後にまとめた分かったことや謎





【分解したものを上から撮ってみました❕】*雑な写真ですが(笑)
分解してみたら、結構部品が中に入っていたことが分かりました!
この公衆電話の電話機能が、今の時代は手のひらサイズのスマートフォンの機能の一つに入っていると考えると、技術進歩の速さを感じます。次の10年, 20年, 30年後は、どんな技術が生まれてどんな製品が作られているんでしょうか?
あなたはどう考えますか?

分解後の写真




🔸最後に
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
今回は公衆電話の謎やクイズへの挑戦しました!グーグルフォームで謎に挑戦した方や分解に参加した方だけでなく、きっとこのコラムを読んでいる方も謎と向き合っていく中で、新たな発見や学びがあったり、新たな疑問やわからないところが出てきたんじゃないかと思います。

それらの出てきた疑問と向き合うことで、モノのしくみを見抜く視点を養うことができると思いますので、ぜひ公衆電話だけでなく、ほかのモノについても疑問を持って考えたり調べたりしてみてください。
*分解する場合は、保護者の方と一緒に安全に気を付けて行ってください。

それでは、また次の活動でお会いしましょう!





============モノのしくみ探究部とは=============
モノのしくみ探究部の目的は、『ワークショップを通して、モノのしくみを見抜く視点を養うこと』です。モノのしくみを見抜く視点を養うことで、身の回りの家や学校にある道具や家電などの仕組みが見抜けるようになり、自分が何かを作ろうとしたときに、普段の生活からヒントを得で作りたいモノを作れるきっかけになるような活動をしています。

*今までの活動はこちら
グルーガン分解編:https://kashiwanoha.vivita.club/column/2337/
グルーガン図鑑編:https://kashiwanoha.vivita.club/column/2635/
防滴Bluetoothスピーカ分解編:https://kashiwanoha.vivita.club/column/2755/


MENU