REPORT

Aquaterrace Lab.

アクアテラスミュージアム

SatoMomoko

Momoko Sato

2020/5/12

アクアテラスミュージアム

2019年11月〜2020年2月に行ったアクアテラスミュージアムのプロジェクトレポートです。


2018年秋から定期的にアクアテラスの生態系について調べてきたプロジェクト「アクアテラスラボ」。アクアテラスミュージアムは、これまで調べてきたことをそれぞれのやりかたで表現して、アクアテラスに持ち出して、道ゆく街の人に伝えるという企画です。

プロジェクトの1回目は、博物館に見学に行って情報収集することからはじめました。いつもVIVISTOPで顔をあわせているメンバーと、いつもとはちがう場所で活動するって新鮮。

茨城県自然博物館に集合!

2回目はアクアテラスを散歩しながら制作するものをそれぞれ決めました。つくるものを決めた後は週1回集まって制作活動です。

そしてむかえた本番当日。おひろめタイムは13時から15時を予定していたので、午前中は準備時間にあてました。大人も子どもも準備がまるで間に合っていませんでしたので、直前まで色塗りしたり、景品の缶バッジをつくったり、ARマーカーをつくったり、アクリルキーホルダーを増産したりてんやわんや。

お昼を食べて、準備していたものをアクアテラスに持ち出します。さて、準備は整った、よしはじめよう! と思ったものの……。

風が強い。

晴れてはいるので、そのまま開始。しかしあまりに人がいないので、子どもたちは周囲を自転車で走りながら集客に奔走したり、口上を述べて人を呼び込み始めたり、飛ばされそうになる展示を抑えたり、みんな必死の形相。必死に呼び込むものの「こんなに風が強くなければね」「がんばってね!」と街の人に励まされて、ゆっくり足をとめてはもらえず。

そうこうしているうちに、ふいにさらに強い風が吹いて、展示台が倒れて壊れました。幸い、けが人は出なかったものの、これ以上続けるのは危険と判断して、開始から45分であえなく撤収しました。

屋内のVIVISTOPに引き上げて、集まって、さてこれからどうしようと話してみると、子どもは開口一番「かなしい!」と。人が少なかったことも、風で思うようにできなかったことも、とにかく悲しい。チラシをくばったりポスターをはったり、もっとしたかった。自転車のカゴにチラシをつけて走りたかった。アクアテラスの生物モチーフのアクリルキーホルダーガチャポンが好評だった子どもたちは「当然これでおわりじゃないでしょう?またやるでしょう?」と。それまでに種類も量も拡充させようと、さっそく絵を描き始めていたし、一緒に取り組むメンバーもいつの間にか増えていました。

「これで終われない」気持ちでいっぱいだったので、天候が落ち着いてきそうな4月にリベンジすることを決めて、それに向けて改めて準備と調整をしていくことに。

振り返ってみると、まったくうまくいかなかったのに、未来に向けて気持ちが満ちて終わるという、なんとも不思議な1日になりました。

今回のプロジェクトを進めながら、私が徐々に、強く、思うようになったことが1つあります。それは「ちゃんとした発表を目指さない」ということ。なにか発表の場を設けようとするとき、ついつい「ちゃんとした」何かを求めがち。でも、その「ちゃんとした」って何なのでしょうか。子どもが理路整然と話すこと? なにかきちんとした資料が提示されること? パッとみてハイクオリティの制作物が並んでいること? 大人目線のちゃんとした発表をさせるのではなく、アクアテラスの生物について人と話すことの楽しさを、十分に味わえるプロジェクトにしたい! と思ってはじめたのがアクアテラスミュージアムなのです。

今回の企画は、そもそも2月に屋外でやろうとすることが無謀だし、案の定、人は来ないし、壊れるし、子どもたちは寒すぎて鬼ごっこに興じるし、見方によっては大失敗かもしれない。でも、人に伝える場を持とう、コミュニケーションを楽しむ場をつくろうという目標はプロジェクトメンバーで共有されていたからこそ、うまくいかなくて悲しい気持ちが共有できた。そしてその気持ちは未来に向けた、具体的な行動につながっていった。これを充実した1日だった言わずして、何をうまくいったといえばいいんだろう。

さあ、春に向けて再出発。次回はどんな気持ちとコミュニケーションがうまれるのか、とっても楽しみです。


このレポートを書いたのは2020年2月のこと。その後、COVID-19影響でVIVISTOP柏の葉はリモート企画以外の活動を停止しています。3月中旬、まだ限定的にオープンしていた時期に、子どもたちからアクアテラスの件はどうなっているのか? と、度々聞かれました。2020年5月現在、アクアテラスは立入禁止でなにか現地で活動ができる状態ではありません。でも、細く長く続けてきたこの活動を、子どもたちに何かやりたい気持ちがある限り、続けられる方法を模索していきたいと思います。

MENU