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VIVISTOPイベントレポート

わたしとおカネ、フシギな交換関係①

OnoAyumi

Ayumi Ono

2018/7/25

わたしとおカネ、フシギな交換関係①
みなさまこんにちは。
VIVITAクルーの大野愛弓です。

 

普段VIVISTOPの子どもたちからは「あゆっち」というあだ名で呼ばれています。
いや、「呼ばれています」なんて書いてみましたが「あゆっち」というのは私が(自分の素敵なあだ名を考える事ができず、その時隣で同じくあだ名を考えていたVIVITAクルーの穴山さんがスラスラと名札に「あなっち」と書くのを見たのをそのまま真似して)考えて、子どもたちに「こう呼んでね!」とお願いしている呼称なだけで、実際には「大野さん」と私のことを呼ぶ子どもが圧倒的に多い気がするのだけど。
一方「あなっち」というあだ名はすごく浸透していて、穴山さんはみんなから「あなっちー!!」と呼ばれています。一文字しか変わらないあだ名なのにもかかわらず「あゆっち」が浸透しないのはなぜだろう。
それはもしかして私が「あゆっち」っぽくないからなのかな、それとももしかして私が人の真似をして安易にあだ名を決めたことがばれているのかな・・・なぁんていうことを日々考えながらVIVISTOPで子どもたちととっても楽しく過ごしています。クリエイティビティ、大切ですね。

 

さて。本題とは全く関係ない話が長くなってしまいましたが、今回のコラムは6月にVIVISTOP柏の葉にて開催されたワークショップ、「わたしとおカネ、フシギな交換関係」についてのご紹介です。今回のワークショップもとてもとても楽しく、学びの多い一日となりました。できれば第2弾を開催したいなぁ、と思うほど。

 

でも今回のワークショップ、「わたしとおカネ、フシギな交換関係」というタイトルから受けるイメージは正直今までVIVISTOP柏の葉で開催してきたワークショップと比較すると、なんだか少し系統が違うような、珍しいような、そんな印象を受けませんか?

 

今までもVIVISTOP柏の葉では様々なワークショップが開催されてきました。
みんなが行きたくなるような公園を考えてみたり、自由にアニメーションを描いてみたり。
VIVISTOPに置く展示台を作ってみたり、未来の新しいおもちゃを考えてみたり。
子どもたちのアイデアが活きる、クリエイティビティが光る、そんなワークショップが盛りだくさん。

 

そんな風に「クリエイティビティ」や「自由なアイデア」満載のVIVISTOPから、「おカネ」という今回のテーマは少し遠い場所に位置しているもののように感じます。

 

ですが、2人の素晴らしいファシリテーター、そしていつもVIVISTOPにエコマテリアルを提供してくださっている「モノ:ファクトリーさん」の力により、このテーマがとてもVIVITAらしい、子どもたちのアイデアいっぱいのワークショップに大変身いたしました。

 

そんなワークショップの様子を、2回の連載に分けてレポートいたします!

 

——————————

 

2018年6月30日。
例年よりも早い梅雨明けを迎え、朝から日差しが強く蒸し暑かったこの日。
VIVISTOP柏の葉にはそんな天候を(なぜそう見えたのかは敢えて省略しますが)人一倍暑そうに楽しむ2名の男性の姿が。
ミュージアムエデュケーター、会田大也さん(奥)。
そしてレオス・キャピタルワークス株式会社にてシニア・アナリストを務める栗岡大介さん(手前)。
この日のワークショップをファシリテートして下さるお二人です。

 

にしても。

 

ミュージアムエデュケーター???

 

シニア・アナリスト・・・・?????

 

ナニソレナンカスゴクカッコイイ。

 

あまり聞き覚えのない職種のこのお二人ですが、普段は一体どんな仕事をされているのでしょう・・・。
様々なお仕事をされており、もう本当に幅広く活躍するお二人なのですが僭越ながらあえて一言で説明させていただくと、

 

会田さんは、ワークショップなどをデザインするワークショップのプロフェッショナル。
栗岡さんは、まさに今回のテーマ、「ケイザイ」のプロフェッショナル。

 

でしょうか。

 

そんなお二人による今回のワークショップは大きく分けて4つのシーンに分かれて構成されていました。

 

シーン1 もしもおカネがなかったら・・・
シーン2 困ったことが発生!
シーン3 ありがとうシート
シーン4 未来へのタイムスリップ

 

こんな感じに。

 

なんだかタイトルだけでわくわくしてしまいますよね。

 

では、さっそくシーン1の様子からレポート開始!

 

・・・と言いたいところなのですが、ちょっとその前に。

 

ワークショップが始まる前に、とても大切な時間があったのです。
そうです、ワークショップ恒例(?)自己紹介タイムです。
今回のワークショップにはVIVITAメンバーだけでなく、普段はVIVISTOPに来ていないメンバーも数名参加してくれました。
そんな初めましてなメンバーと、VIVITAメンバー、ファシリテーターのお二人、そして我らがモノ:ファクトリーさん。ついでに私たちVIVITAクルーも!
自己紹介ではこのワークショップに携わる全員が自分の「得意なこと」、そして「苦手なこと」を発表しました。
算数が得意な子もいれば、算数が苦手な子がいて。
体が動かすことが得意な子もいれば、絵を描くことが得意な子もいます。
誰かの「得意」は誰かの「苦手」で。誰かの「苦手」は誰かの「得意」だったりして。

 

「みんなそれぞれ「得意なこと」も「苦手なこと」も違うんだなぁ。」

 

当たり前のことなのですが、一人ひとりの発表を聞きながら、そんなことを改めて感じる自己紹介タイムとなりました。

 

いつものように行われたこの自己紹介。
でも実はこの時間に、今回のワークショップでの大切な「気付き」のヒントが隠されてたのです。
さすがワークショップのプロフェッショナル、会田さん。
自己紹介タイムから会田さんの作戦は盛り込まれておりましたよ!

 

みなさん、この自己紹介。
覚えていてくださいね!!!
きっときっと、ある「気付き」に出会えるはずですから。

 

【シーン1 もしもおカネがなかったら・・・】

 

突然ですがみなさん。

 

もしもおカネがなかったら、どうやって生活していると思いますか???

 

日々の食品、衣類、日用品・・・

 

毎日当たり前のように「購入」しているそれらは、この世におカネが存在していなければそもそも「購入するものだ」という概念すら無かったかもしれません。

 

かつては「おカネ」というものが存在していなかった時代もあるわけですから、モノを買わない時代が確かにあったわけなのですよね。

 

今回のワークショップでは、一日かけて子どもたちに「マイホーム」を作ってもらったのですが、シーン1ではまず、そんな「おカネ」がない!という状況を体験しながらの制作です。

 

さて。何度も繰り返しますが、おカネはありません。

 

なので、マイホームを作ると言っても家は買えませんし、家の中に必要であろうあらゆるモノは買えません。

 

では何ができるかというと・・・

 

「作ること」はできます。

 

そして、その「作ったもの」を他の人の「作ったもの」と交換することはできます。

 

ただし、条件があって。
・制作につかえる材料は一人ひとり同じ量・種類配布されるエコマテリアルだけ。
・子どもたちは自分で職業を決めます。制作できるのはその職業に関連したモノのみ。
・ただし、職業の変更は何度でもできます。

 

このシーン1の挑戦にあたり、子どもたちに許された時間はたったの30分。
開始と共に、大慌てで作業に取り掛かる子どもたちの姿が目立ちました。
やっぱり家には家具がなくっちゃね。大人気だった家具屋さん。
エコマテリアルを工夫しながら机や棚、椅子などをどんどん制作していきました。
なんと言っても、今回持っている素材で家具はとても「作りやすい」ものでした。
だから同じものを何個も作れちゃう。大量生産、ですね!
カーテン屋さんを始めた子も。
家には必須!のカーテン。でも他にカーテン屋さんは誰一人存在しません。
競合のいない彼女は周りからのリクエストに制作が追いつかない!なんてシーンも。独占市場、強いです。
多くの子どもたちが家具屋さんスタートでしたが、「これでは(みんなが家具屋さんでは)誰も交換してくれない…!」と気がついた数名の子どもたちが、電気屋さんや家電屋さんに転職をし始めました。
ニーズのあるフィールドで活躍するってこういうことなのか。
中には他の子と交渉・物々交換を敢えてしない、という自給自足タイプの子どもたちも登場。
華麗に職業を変えながら、自分の必要なものをひたすら揃え、ひたすら自分のマイホームを完成させていきます。
色んなスキルがあるって素晴らしい。
なんと言うことでしょう。マイホームを作ろうと言っているのに鉄道関係屋さんが登場しましたよ。鉄道関係屋さんってなんでしょう!
でも何がすごいって。
この彼、ただ素材を切っただけの通称「電気」という、ほぼ制作していない「素材そのもの」を手に、どんどん色んなモノと交換してしまいました。
最終的に何よりも大切なのは交渉力。ということでしょうか。

 

手探りからスタートしたシーン1でしたが、子どもたちから「もっと時間がほしい!」とリクエストの嵐が起きるほどあっという間でした。そんな短い時間ではありますが、振り返ってみると・・・

 

・「素材」を使って「商品」をつくりました。
・その素材を商品に変える「加工」という作業には「労働」が必要でした。
・作っていたものは、職業により偏りがあったかもしれませんが、「交換」することにより、多様なモノを手に入れることができました。
・「交換」するためには「交渉」が必要でした。

 

なんとこんなにも多くを体験していました。

 

作るのが得意な子。
交渉するのが得意な子。
アイデアを出すのが得意な子。

 

各自それぞれの「得意」を活かしながら、それぞれのマイホームが着々と作られていました。
おカネの無い世界。
物と物と交換するというシンプルな仕組み。

 

コツも掴んできたしこのままどんどん進めて素敵なマイホームを完成させよう!!

 

・・・と、行きたいところですが、もちろんここで終わらないのが会田さんのワークショップ。

 

そうです、お気付きかとは思うのですがこれまだシーン1。
まだまだ続きがあるのです。

 

しかもなんとシーン2ではある「困ったこと」が発生してしまいます。

 

まさか。あんな困ったことが起きるとは・・・。

 

みんなこんなに一生懸命素敵なマイホームを作っているっていうのに・・・・。
《つづく》

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